
FUNDING FACTBOOK「株式会社レグミン」
「FUNDING FACTBOOK」では、資金調達ニュースの対象となった非上場企業の調達情報を、登記簿謄本を確認し、その調達内容を詳細にスキームまで解説する。
この記事では、2019年1月22日に資金調達を発表した「株式会社レグミン」の資金調達内容について取り扱う。
1. 株式会社レグミンについて
株式会社レグミンは、2018年5月に設立された会社で、農作業を自動で行う農業用ロボットの開発を行っている。
■ サービスの内容
レグミンが開発する農業用ロボットについて同社のホームページ上で機能が紹介されている。
ROS(ロボット用のオープンソースOSで、著名な例だとソニーの「aibo」にも使われている)ベースで制御されており、各種センサから取り込んだ情報を用いて自律走行・自動制御を行えるようになっている。
LiDAR(レーザー光を対象物に照射し、その反射光等の観測により対象物との距離等を計測する技術。自動運転車やドローンに関連して注目されている)とGPSにより、位置情報・周囲情報を取得し環境地図を作成する機能(「SLAM」と呼ばれる)を有している。
レグミンが開発する農業用ロボットが対応できる領域は幅広く、種まき・作物の日々の見守り・農薬散布・収穫まで対応するように設計されている。
■ サービスの展開
レグミンは、静岡県駿東郡清水町と実証実験の実施や休耕地の情報提供を目的としたパートナップシップ協定の締結を公表している。
清水町に5つの試験農場を用いて、そこで小松菜を栽培しながら農業ロボットの開発を行っている。
小松菜を選定している理由として、種まきから1−1.5ヶ月で収穫が可能なため5箇所の農場をうまくつかうことで、1年で何十作も検証に用いることができると述べている(関連記事①)。
2019年内に、①農業用ロボットによる種まきを開始すること②検証用の農地を現状の1ヘクタールから20ヘクタールに拡大する方針を示している(関連記事②)。
2.プレスリリースについて
概要
プレスリリース日 2019年1月22日 09時30分
その他媒体 TechCrunch, THE BRIDGE
発表調達内容
金額 1.0億円
方法 第三者割当増資
投資家 インキュベイトファンド
実際調達内容
資金調達日 2018/08/01
合計金額 100,050,000円
PRのタイミング 登記完了後
登記完了後からPRの日数 151日
プレスリリースの解説
発表の対象となった資金調達は、創業から2ヶ月半経過した2018年8月に行われており、プレスリリースはそれから5ヶ月経過した後に行われている。
プレスリリースでは、会社の紹介ならびに起業の経緯、開発しているロボットの概要説明の他、投資を行ったインキュベイトファンドの代表パートナーである赤浦氏のコメントが掲載されている。発表と同日に、TechCrunch・The Bridgeに記事が掲載されている。
会社ならびにサービスの知名度向上を狙い、プレスリリースに際してある程度の準備をしたことが伺える。
3.ラウンド前後の会社の取り組み
FUNDING FACTBOOK vol.003
2019年1月18日から23日までに公表された企業の調達情報を、謄本ならびに周辺情報から、各ラウンドについての背景をふまえてスキームの解説…
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