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FUNDING FACTBOOK Vol.003のまとめ

「FUNDING FACTBOOK」は、資金調達ニュースの対象となった非上場企業の調達情報を、登記簿謄本を確認し、その調達内容を詳細にスキームまで解説するnoteです。

このnoteでは、「FUNDING FACTBOOK Vol.003」で取り扱う10社の資金調達について、横比較可能な形にまとめています。

1. 公開済みnoteの概要

No.21_connectome.design株式会社 7,000万円

connectome.design株式会社は、2018年6月に設立された人工知能の開発を行うスタートアップで、今回の発表が創業以降最初の資金調達となります。
J−KISS型新株予約権により調達を行っていますが、同スキームを提案したCoral Capitalが絡まない案件となります。

No.22_みんな電力株式会社 11億8000万円

みんな電力株式会社は、個人や小規模事業者が発電した電力を消費者が購入できるようにしたプラットフォームを運営している会社です。
調達額の大きさも特徴的ですが、過去これまで多種の新株予約権を発行しているため、記事内では新株予約権の使い分け方についても確認しています。

No.23_株式会社グラファー 1億8000万円

2017年7月18日に設立された株式会社グラファーは、行政手続の効率化を担う「Govtech(ガブテック / 政府×テクノロジー)」のスタートアップです。
創業直後に多額の資金調達を行った同社の、2回目の資金調達はJ-KISS型新株予約権で行われています。調達の背景含め、スキームの解説をしています。

No.24_株式会社VALU 5億円

2016年12月5日に設立されたVALUは、2017年5月に発表したSNS「VALU」で注目を集めたスタートアップです。今回発表した5億円の調達は、創業以降初めての1億円を超える大型調達となりました。
記事では、人事・事業・資金の面から当該ラウンドの解説を行っています。当該調達の前に取締役の入れ替えを行っており、VALUが組織を変えようとしている様を伺い知ることができます。

No.25_株式会社ヴェルト 3億387万5000円

2012年に創業した株式会社ヴェルトは、デザイン性が高いスマートウォッチ”VELDT SERENDIPITY”をはじめとしたIoT製品・サービスの開発・販売を行う会社です。
記事で取り上げた調達はシチズンとの業務提携に際して行われたものです。当該提携に際して利用された優先株式の設計は、残余財産分配権に関する強固な保護規定が目立つ特徴的なものとなっています。

No.26_株式会社dreamstock 2036万円

2017年7月に創業した株式会社dreamstockは、アプリを通して世界中のプロサッカーチームのOnline選考に参加できるスマホ用アプリ「dreamstock」を開発・運営している会社です。ユーザーの大半も連携しているプロサッカーチームも海外にいる同社が、日本の個人投資家から調達を行った案件となります。調達規模と比較して種類株が多く発行されていることは1つの特徴と呼べるでしょう。

No.27_株式会社22 500万円

2018年11月2日に設立された株式会社22は、海外のシェアハウスを自由に使えるサブスクリプションサービス「トークンハウス」を運営している会社です。記事内では、「上場や売却などは一切視野にいれていない」旨公表している同社が、どのような条件で資金調達を行ったのか振り返っています。

No.28_株式会社レグミン 1億5万円

2018年5月に設立された株式会社レグミンは、農作業を自動で行う農業用ロボットの開発を行っています。記事内では、同社が創業から2ヶ月後に行った2018年8月に行った資金調達内容について触れています。創業直後からハンズオンで支援を行うことで知られるインキュベイトファンドが、そのような条件で出資を行ったのか、他の同社の出資事例と比較しながら、条件を振り返っています。

No.29_株式会社レポハピ 1億3020万円

2016年4月に設立された株式会社レポハピは、SNSユーザーがもつ影響力を測定する技術で国際特許を取っており、当該技術を利用した複数のWebサービスを開発・運営している会社です。大阪を拠点として活動を続ける同社にとって、創業以降初めての大型調達となります。創業から内容の違う2つの「A種種類株式」を発行しており、その用途並びに設計の違いは一見の価値があります。

No.30_株式会社Craftie 1億1000万円

2016年4月に設立された株式会社Craftieは、アート・クラフトに関するワークショップ予約サイト「Craftie」の開発・運営を行っています。同社にとってはじめての法人投資家からの出資をうけています。出資に伴い、東京を中心に著名な施設(蔦屋家電やショッピングモール)と提携しており、この提携について正式にサービス化を発表しています。

2. 調達手段の比較

(1)Vol003範囲

画像1

(2)Vol001-003Total

画像2

いずれの図表も、横軸が調達金額、縦軸が時価総額となっている。
表内の緑色の線は、PreValuationと調達金額の比率が10:1となる関係性を表示している。

vol003範囲で取り扱った資金調達についてコメントする。
利用した調達方法について、J−KISSによる調達が3社、種類株による調達を行った会社が6社、普通株による調達が2社だった(VALUは複数スキームを使っている)。

PreValuationと調達金額の比率が10:1となる関係性を示す緑線の上に位置する調達(=外部への割当が10%以下)は株式会社dreamstockが行った調達と、株式会社VALUがJ-KISSを発行した際の調達のみであり、それ以外については調達時10%以上放出していることになる。

株式放出比率が最も高かった調達は、株式会社レグミンが行ったPre1.5億円・1億円の調達となった。

3. J-KISS型新株予約権(N=3)の条件比較

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3つともディスカウント率は20%、転換期限は18ヶ月後で共通している。
対して、適格資金調達の条件・評価上限額(Valuation Cap)にはばらつきがある。

画像4

適格資金調達の設定額ならびにValuation Capの設定が、資金調達規模と比較してどの程度高いのか比較可能な状態にした。
相対比較を行うために対数グラフにマッピングしているため、具体的な数値把握には不適だが、特徴的な調達情報を見つけることに適している。

X軸は適格資金調達の基準値が、調達額に対してどの程度の大きさに設定されているかを示す。従って、右側に位置する調達情報ほど、調達額より大きな適格資金調達基準が設定されていることを表している。

Y軸はValuation Capの設定値が、調達額に対してどの程度の大きさに設定されているかを示す。従って、上方向に位置する調達情報ほど、調達額に対して高いValuation Capが設定されているといえる。

上記表は、株式会社グラファーの解説で、同社のJ−KISSの条件を確認するために利用している。

4. 優先株式(N=10)の条件横比較

画像5

6社が出した10種類の種類株式についてコメントする。

1_優先配当
全ての種類株について優先配当についての定めが設けられていなかった。
株式会社ヴェルトが発行した優先株については、配当に関しては普通株と同様の取扱をする旨定められていた

2_残余財産分配
全ての種類株について×1.0倍の参加型の設計だった。

株式会社ヴェルトが発行したB種優先株式は、B種優先株式に対して優先残余財産分配を行った後に行われるA種優先株式への残余財産分配に参加する有利な条件になっていた。

3_金銭と引き換えにする取得請求権
この条件を設けた企業は、種類株を用いた6社のうち2社(計3種類株式)のみ。

株式会社レポハピが2016年に発行したA種優先株式では、払込期日から3年経過後に払込額の1.5倍での買取を請求できる投資家有利な条件が設定されている。

4_普通株式と引き換えにする取得請求権
全ての種類株式で、×1.0倍の取得請求権が設定されており、いつでも普通株式に転換できるようになっている。

5_希薄化防止条件
10種類株式のうち、低廉発行時具体的な調整方法を定めているものは4社が発行した6種類。ナローベース3件・ブロードベース3件となっている。

株式会社dreamstockおよび株式会社レポハピが発行した計4種類の種類株については、取締役会で合理的な調整を行うよう抽象的な定め方がされている。

6_取得条項
レポハピが2016年5月に発行したA種優先株式を除いた全種類株で、上場に関する取締役決議が行われたことをトリガーに、会社がA種優先株式を取得し株主に普通株を交付する旨定められている。

レポハピが2016年5月に発行したA種優先株式では、払込期間3年後を基準に、3年以内であれば払込価額の1.5倍・それ以降であれば3.0倍の金額で会社がA種優先株式を取得できる条項が定められていた。

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